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海外行ったら着物です!:スペースアルク
 

2006年05月30日

TITLE:共産主義と浴衣

浴衣と共に、旧ユーゴを目指す

今でも1日1通は必ず、オスロ大学の同窓のメーリングリストからメールが入ります。

最近、気になる出来事、「モンテネグロ」が「セルビア」から独立したこと。

これについて、クラスでも目立って優秀だった「セルビア」のゴラナがこうメールをしました。

Yes, the people of Montenegro voted in favour of the independent state.
The feelings are mixed. Some are sad thinking that Montenegrin people are
very close to the Serbs, some think it is a good idea and that we should be
separated. Like in every case, pro and contra.

I cannot avoid saying that I wish all the separations in the Balkans had
happened in the same way - referendum, the will of people and a peacefull
manner of implementing that.


私が専攻したIRクラスには、ゴラナを含め約20名の旧ユーゴスラビアの学生がいました。

泥沼の内戦をした旧ユーゴスラビア。その若者のたちに、ノルウェー政府が奨学金を出し、一緒に学ばせることにより、戦争のわだかまりをなくそうとしているようです。

IRクラス「国際関係と外交政策」はまさにぴったりの学科だったのでしょう。


クラスが始まった当初、彼らの中で緊張感が走ることもありました。しかし、だんだんと、打ち解けていきます。同じ言葉を話し、文化も酷似、生まれた当時は、同じ国民だった。
共通点が多ので、コミュニケーションが始まれば、仲良くなるスピードは速い。


「クロアチアとセルビアの国境を渡りたい」

殺戮をしあったこの国のボーダーを渡る。

戦争の傷跡を見ることは、私のように平和な生活しか知らない者にとって何かを与えてくれるのかもしれない。

オスロ大学が終わった後、私は旧ユーゴスラビアを目指すことを一人決めます。



私の家に泊まればいい

たくさんの友人はいたものの、彼らの家に泊めてというのは気が引けていました。

でもどこからから私がクロアチアに行くと聞きつけたのか、
クロアチアのオルキデアが、夕食後私の部屋を訪ねてくれます。

そして

「香保利。ホテルなんてとることはない。うちに泊まって。私の部屋を使ってね。私は居間で寝るのが好きなんだ」

まだ19歳の彼女気を使いつつ、言葉を選んで、家に泊めてくれることを勧めるのです。

その後、あらかたの旅行日程を決めると、どこからも「うちに泊まればいい!」という声をかけてもらいました。

エストニア・ラトビア・ポーランド・オーストリア・ハンガリー・クロアチア・セルビア・・・・

ホテルに泊まったのは、実にスウェーデン・ドイツのみ。

不思議なことに旧共産圏の人々の方が、私が家に泊まりに行くことをすごく勧めてくれるのです。

何か泊っている間、お礼になるをしたい。

物を送るのではなく、私の気持ちをわかってもらうもの。なんだろう?


長距離バスや夜行を乗る貧乏旅行。

どんな旅行にことになるか分からなかったので、荷物の殆どをダイアナに託します。

それでも2枚の浴衣だけは、カバンにいれました。

「泊った先で、浴衣を着せてあげよう」と。
(オルキデア クロアチアで一番いい大学の特待生。将来は弁護士が約束されている。でもね、泣くのですよ「生まれる国は選べない。私は、クロアチアが故郷だと思えないの。ノルウェーにいた時、私はこの国の人間だって強く感じたの」って)

何人に着てもらったのだろう?

本当にすばらしい経験がこの旅行で出来ました。

言葉足らずの私が言葉にすると、経験とずれが出てきてしまう気がします。

だから、私の昨年の夏の思い出をまとめた以下のサイトを見ていただいてもいいでしょうか?

↓8月9日以前までサマースクール
http://spaces.msn.com/2005kahoriochi/

↓以降の旅行記
http://spaces.msn.com/kahoriochi/

何人浴衣を着てもらったのでしょうか?

実にそれだけの方々にお世話になったのです。


そしてみんな大変喜んでもらえたと、私は確信しています。

今・・・

私がお店で着物で国際交流を始めたのは、このノルウェーと以降の旅行がきっかけなのです。

同じことを日本の方がしたら、きっと着物のよさを再認識してくれるだろう。

また海外の方もきっと喜んでくれるだろう。

そして何よりも、私がしたい。


この国際交流会の、現店舗での締めくくりとしておこなった、「さよならの会」。

この模様はこちらのブログで紹介しています。よければこちらもご覧になってください。
そして、共感頂ければ、次回ご参加ください。
http://2daime.kimono-sakaeya.com/?eid=368238

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